蔦屋吉蔵 卯月初時烏 NDLより引用
絵画の展示
絵画の展示方法
絵画の展示場所
物理的空間と情報空間とがあり、それぞれの展示場所の相違によって、展示方法も変わってきます。
- 物理的空間 美術館 百貨店の催事場所 画廊 貸しギャラリー
- 情報空間 インターネットのサーバー NFT処理されたブロックチェーン
物理的空間における展示
物理的空間における展示方法は、原画の状態を現状維持する手法や、観客の視点を意識したり、さらに販売促進的な観点から展示する方法が、一般的です。
美術館などの展示!高さやケースについて
美術館などの展示方法 販売目的ではなく展示すること自体が目的のことが多いです。特に公立の美術館では、その傾向が強いです。
モナリザやゲルニカのように、有名な原画は、絵の具や画材が、採光などによって変色することを防止したり、セキュリティーの観点から絵画をケースに入れて展示することが多いです。
美術館では、絵画の展示の高さは、一般の目線の高さに合わせることが多く、絵の中心が床から140CMー150CMの高さの位置で統一されています。
この高さは、画廊やギャラリーと呼ばれる展示場所で、展示する場合も、参考にされています。
百貨店の催事場などの展示スペースでの展示!
百貨店ギャラリー 百貨店の展示スペースで百貨店が主催し展示販売を目的に、絵画を展示する展示方法です。
展示企画は、毎週変わることが、多いです。
企画そのものも、同時に2つが、進行し、大画廊と小画廊で展示販売されることもあります。
観客は、いわゆるお百貨店の得意様といわれる方で、購入を楽しみにされている方たちです。
絵画の他にアートや彫刻、着物といったものまで、芸術作品を展示して、販売します。
絵の中心が、床から140CMー150CMの高さの位置で、展示されることが標準となっています。
一流の画家の高価な絵画を展示するため、美術館のようにケースに入れて鍵をかけて展示したりすることもあります。
展示即売会や展示販売会を目的としているので、品質を確保するため、このあとに述べる画廊が、仲介して、特定の画家の絵を紹介しています。
画廊の私設ギャラリーでの展示!
画廊の運営主が特定の画家の絵画を展示することを企画した展示会です。
画廊の運営主は、絵画の販売利益で、画廊を運営しているため、絵画も高級品を扱うことが多くなります。
特定の画家の絵のテーマに合わせて、展示方法を変えて行く点に特徴があります。
たとえば、有名な画家の展示販売を企画したとすると、販売価格も高くなり、展示場所も銀座などの高級志向のお客様の多い場所を選びます。
またコーヒーを飲みながら、絵画の芸術的価値を十分に堪能していただくため、カフェを併設したりします。
画廊によっては、画家を公募し、若い才能を育てていくことを企画する人もいます。
このような企画では、銀座の1等地というよりも、若い人が多くアクセスする渋谷などで、開催されることもあります。
展示方法も額に入れて展示する額装や、キャンバスそのものをそのまま展示する方法が採用されます。
額装とは、素材の現状を維持するための額にいれて展示する方法です。
ギャラリーで展示販売する場合に額装のまま引き渡すことが可能で、販売においても、原画の状態を劣化させない点がメリットです。
アナログ式の絵画からデジタル式のビデオオアートまでを物理的にアーカイブ化!
アーカイブによる展示方法の進化を通じて
- アーティストの方には、芸術的視点を!
- ビジネス関係の方には、世の中にはないオリジナルのプロダクツやサービスを創造する視点を!
油絵なら、ネット環境にいない人でも、誰でも、絵が保管されている美術館などに、アプローチさえできれば、その絵画と作家名を容易に探し出すことができます。
さらに、美術館には展示されていなくとも、そのアートの展示品を見ることで、芸術的視点やビジネス的アイデアが創発される機会をつくるという意味で、絵画やアートの展示会の存在意義を高く評価することが可能です。
ビデオ・アートと絵画とをアーカイブ化
ミシガン出身のアーティストが、ビデオと静止画、絵画と写真の境界線を曖昧にして融合させるアートを生み出しているアーティストが出現しました。
ビデオ・アートのカテゴリーにあらたなジャンルを設定したともいえます。
問題は、このビデオアートの形態は、油絵のようにオフライン上にキャンバスでアーカイブされなかったということです。ビデオで記録された作品の場合、作家はそのビデオを閲覧できる環境にいる人にしか、その人の名前を容易に探し出すことができませんでした。
ところが、単体でビデオ・アートとなりうる動画の映像をキャンバスの中に埋め込むアーティストが出てきました。
二次元の静止画の絵画の中で、どこまでが絵画で、どこまでが、動画か?その境界が曖昧な状態で、抽象画をキャンバス描いたのは、最先端のモダン・アートかもしれないです。
それは、キャンバスというよりは、オブジェ=意味不明な物体なのです。
あえていえば、静止画の中に、動画を組み込むことで、絵2次元の中に日常空間3次元を創設したもので、抽象画の中ににバーチャルリアリティーのような、情報空間を創設したものともいえます。
ビジネスマンの方は、この絵画を観ることで、境界を曖昧にするというメタファーから、無人店舗の中に、テレワークによる販売員との双方向の会話ができるデバイスをカート付近に置くなど、のビジネスアイデアを創発することが可能になります。
このビジネスアイデアは、無人店舗と友人店舗との境界を曖昧にしたあたらしいビジネスアイデアといえます。
デジタルとアナログの境界を曖昧にし、図書館から絵画を展示
デジタルとアナログの境界を崩すところに新たな価値=展示用空間をもたない図書館が、展示会を可能にする!
美術館には展示されない国立国会図書館の美術資料が、電子コンテンツとなって展示されています。
電子テクノロジーの発達は、画像のきめ細かさを、実物と同じレベルで電子的に再現することを可能にしました。
歌川広重の版画はヒロシゲブルーと呼ばれ欧米や諸外国でも大人気で印象派の画家やゴッホにも強い影響を与えていま。北斎と並ぶ日本が生んだ国際的なスーパースターなのです。
その歌川広重の秘蔵の短冊画である花鳥画などは、諸外国のアーティストにも興味深々です。
画家から購入した絵画を展示する場合
絵画の展示権
原画の著作権者に展示権があるのが原則です。原画が譲渡されても、著作権も譲渡されるか?は、別途著作権の売買契約があるか?によります。
原画を描いた画家が、所有権のみを譲渡し、著作権については、画家に留保した場合は、買主は原則として、展示権がないことになります。
上記の原則に対して、著作権のある画家が、買主の展示を同意している場合は、展示が可能になります。
したがって、所有権のみ有する、買主は、画家に展示をすることの確認をすることとなります。
情報空間における展示
インターネットサーバー上にデジタル情報としての絵画ギャラリーを展示!
ネット上に、原画をデジタル情報の画像にして、掲載し、原画の展示販売を試みるギャラリーです。
原画は、紙やキャンバスなどの布など、アナログ式で、物理的に管理可能なものがほとんどです。
インターネット上の絵画の展示方法は、ネット上では、百貨店や画廊の展示のような現状維持のための物理的管理は不要になります。
在庫の原画を管理する上では、現状維持のための物理的管理が必要になります。湿度対策や採光による色の変化などに、対してケースにいれて管理するなどです。
インターネットギャラリーの場合、原画の作者の顔が、直接見れないです。
そのため、絵画に対して、どういう芸術的価値を盛り込もうとしたのか?をわかりやすくするため、物理的空間での展示とは、異なる展示方法の工夫が要求されてきます。
例えば、作者の_SNSのアカウントのURLを絵画のデジタル情報の付近に、貼っておくなどです。
ネット上の展示方法では、権利関係を明確に!
著作権に対する意識が高揚してきているので、原画に加えて、ネット上のデジタル画像に関しても、作者が著作権を有するのが、一般的です。
ネット上の画像をPCに無断でDLしたり、商用利用するのには、原画の作者の承諾が必要である旨をネット上でも明確にしておくのが通常です。
個人のキャンバスの画像をネット上のサーバーで展示・販売するプラットホーム
さらに、このようなことを可能にしたアート展示会がネット上でも展示・販売することができるようになりました。
ネットにアクセスできる環境さえあれば、誰でも、アートそのものの存在と作者に出えうことができます。
作者は、絵画のキャンバスに描かれた実物をアーカイブ化して、画像にしたものをネットに展示できます。
NFT処理されたブロックチェーン上に唯一無二のデジタル絵画として展示!
デジタル情報をさらにブロックチェーンの技術を使って偽造不可能な唯一無二のデータとして展示する方法が、2021年から注目されています。
下の動画を参照ください!
↓↓↓
https://fb.watch/eSiFakHcB6/
NFTとは、Non-Fungible Tokenの略
NFTとは、Non-Fungible Tokenの略で、非代替性トークンといわれたりしています。代替的価値を超えた価値のあるしるしというい意味です。
たとえば、有名野球選手の直筆サイン入りの硬式ボールは、スポーツ店で販売されているどの高価な硬式ボールよりも値段が、高くつきます。
この有名選手の直筆サインが、代替的価値を超えた価値のあるしるしの具体的意味です。
もしも筆跡鑑定で、有名選手の直筆サインではないとわかったら、価値は普通の硬式ボールの価値になってしまします。
※以上 You Shirabe. First guide of NFT : Non-Fungible Token (Japanese Edition) より一部引用させていただきました。
ビットコインでおなじみブロックチェーン技術で偽造不可に!
NFTは、ブロックチェーン技術を使い、このサインそのものが、偽造できないようにデジタルアートを作成することを可能にしました。
従来のデジタル画像に、価値がみとめられるにつれ、すぐに偽物が出回るようになります。
アナログ式の絵画なら、鑑定士が、本物か偽物か?の鑑定をして、偽物が市場を流通することは極力少ないです。著作権の失効した絵画の贋作は、贋作として、流通しますので、本物の絵画に、価値が認められたものは、依然として高値を維持できます。
デジタルな絵画では、鑑定士がいるわけでもなく、本物と偽物の区別が困難です。となります。その結果、デジタルアートには、従来高値がつくことはなかったです。
またデジタル情報なので、精度の高い偽造が、容易であり、偽物か本物の区別が、普通のひとには困難となります。その結果、デジタルアートには、従来高値がつくことはなかったです。
これに対して、NFT処理されたデジタル画像は、コピーと本物との区別が、デジタル技術で一目瞭然なので、誰でもコピーできるデジタル 絵画であっても、 作者本人 が「 世界 にただ1つ」だけ作成したNFTアートと評価され、 75 億 円の価値 が ついたのです。
作成したNFTアートを取引できるマーケットプレイスが色々と存在します。基本的に、どのマーケットプレイスも同じNFT技(ERC721という技術)を使っています。ですので、あるマーケットプレイスで購入したものを、他のマーケットプロセスで売るということも原理的に可能になりました。
2次転売ごとに、ロイヤリティーが原作家に入るのも、従来の絵画の著作権をさらに進化させた内容になっています。
※You Shirabe. First guide of NFT : Non-Fungible Token (Japanese Edition) より一部引用させていただきました。
デジタルアート作品を手掛けるアーティストには、朗報
従来は、デジタル領域では、偽造されやすいことを理由に、作品にたいして、高値がつくことはありませんでした。
デジタル領域で絵画を含めたアート作品を手掛けるアーティストには、朗報となります。
たとえば、VR空間の中に、絵画やアートを描く動画やゲームなども、NFTアート作品として高値がつくことになります。
アーティストは、一攫千金を狙う方は、少ないかもしれませんが、一般人が、このような高値のアートをモチベーションとして、デジタル作品をつくることは、デジタルアートの現代的な変容の発端になるかもしれません。